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FPシリーズ概要

【FPシリーズ】とは、白暁の健康によく効き、白暁の万病を癒す、白暁の百薬の長。そんなフランツ(F)とパンセリノス(P)をあらゆる角度から味わい尽くすために、フランツ(F)とパンセリノス(P)の2人を延々スターシステムで使い回すことを目的としたシリーズ作品です。
こんな設定の中にこんな2人がいたら白暁の健康寿命が延びるよね。という思い付きを形にして白暁の健康を促進する一人プロジェクトであり、最初から意図的に「限界まで増やす」方向で特化させたシリーズ。軽率に増やしやすくするために「ストーリーを公開しない。脳内妄想のおいしいところだけを自由気ままに描く」という自分ルールに基づき運用しています。

主役2人の設定は世界観により大きく異なるのですが、『白くて美しく自分では何もできない貴人(P)』と『黒くて強過ぎる、もはや兵器な守護者(F)』を基本形としています。白い花と鋼の騎士。

【FP】01 / 02 / 03 / 04 / 06 / 09 / 00 / 番外1 / 番外2

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【FP01】FlowerPsyche

よく描いているエフティヒア(F)とパンセリノス(P)の物語です。
ある日、瀕死のFを発見したパンセリノスは彼を救い、エフティヒアという名前を与えて数年間、共に生活する。その後、将来を悲観して自殺しようとしたパンセリノスを今度はエフティヒアが止め、パンセリノスの「美しい場所で死ぬ」という願いを叶えるために、2人は「世界で最も美しい場所」を求めて世界を巡る旅に出る。

互いに互いを理解できず、されど相手を知りたいと望み、どこまでも噛み合わない2人が親愛によって歪に寄り添いながら、世界や自己と向き合う物語。

◆F(エフティヒア)
本名はFから始まるものの、偽名なので音しかエフじゃない異色のF。
人間。男性。18歳。特殊な血筋で心身がとっても強い。「自分たち(一族)」と「人間」を別の生き物であると考えており、パンセリノスを大切に想っているものの感情や認識が噛み合わないことが頻繁にある。パンセリノスのことも、男性でも女性でもなく「人間」という括りで認識。がんばって人間(パンセリノス)を勉強中。
パンセリノスには生きていて欲しいが、彼女の人生は彼女のものなので口出しできない。ただ美しい場所に辿り着くたび、「世界にはさらに美しい場所がある」と囁き、立ち止まろうとするパンセリノスの手をとって終わりのない旅を続けていく。

◆P(パンセリノス・エレフセリア)
心優しく気弱な、ごく普通の人間。17歳。裕福な家庭で長い間一人息子として大切に育てられてきた箱入り息子。最近になって産まれた、歳の離れた弟がいる。性自認は女性であるが、それを両親に打ち明けられずにいる。さらにエフティヒアに恋をしているが、もちろん告白する勇気はない。抑うつ症状があり、調子のよい時はエフティヒアとの旅を楽しんでいるが、おおむね希死念慮や自殺願望を抱えている。
「あばたもえくぼ」状態で、常識から外れた言動が散見されるエフティヒアのことも「ちょっと変わっているけれど普通の人(むしろ格好良くて優しくて頼りになる、誰もが憧れる白馬の王子様!)」と認識している。ごくありふれた恋する乙女。

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【FP02】FatePrayer

『邪竜と小鳥』と呼びがちな、ファフニール(F)と小鳥ちゃん(P)の物語です。
嵐の夜に地上に墜ちた小鳥ちゃんを助けた邪竜。美しい小鳥に邪竜は恋をし、慈しみ合いながら共に暮らしていく。そんなある日、人間たちの間で「邪竜が天使様を捕えている」という噂が立ち……。

◆F(ファフニール)
若い竜。オス。数百歳。美しいものが好きで、自分の巣に美しいものを集める趣味がある。人間たちが勝手に「邪竜」と呼んでいるだけで、特に邪悪なことはしていない強大な生物。美しい小鳥ちゃんに恋をした。
人型になる時は他世界の「フランツ」によく似た容姿となるが、これは生まれ付いての姿ではない。「ある条件」を満たした対象に変身する能力を持っており、その条件を満たした『人型』がその男の姿と小鳥ちゃんの姿しかないため、人型をとる時はフランツによく似た男の姿を借りている。

◆P(小鳥ちゃん)
人型の鳥類。雌雄同体。邪竜(と人間)には聞き取れない音域も交えて囀るため、名前も発言内容も不明。邪竜が自分を助けてくれたことは認識しており、邪竜に対して友好的に振る舞う。大嵐の夜に地上に墜ちた際、野獣に襲われて翼を失っており、もはや飛ぶことは叶わない。

そして『邪竜と小鳥』と対になる別の物語。人間の青年と癒しの力を持つ白竜の交流譚。
少年が見つけた美しい卵から孵った白竜。以来、仲睦まじく暮らしていた青年と白竜であったが、ある日、人間たちの間で「万病を癒す竜」の噂が流れ始め……。

◆F(フランツ)
人間の青年。とある貴族の三男坊。彼は幼少の頃、別荘の森で白竜の卵をみつけた。以来、特に飼育している認識はないが、別荘に滞在中は懐いてくる白竜を可愛がっている。

◆P(パンセリノス)
満月のように美しく輝く白竜。卵から孵った際に最初にフランツ少年を認識し、以後、彼に懐いている。その涙には癒しの力があり、その血肉は万病を癒すと伝えられている。

死の間際、無邪気な小鳥は望んだ。次は『彼』と同じ存在になりたいと。
死の間際、罪なき邪竜は望んだ。次は『彼女』の隣に在っても迫害されない存在になりたいと。
死の間際、健気な白竜は望んだ。次は『彼』を脅かすことのない無益無害な小鳥になりたいと。
死の間際、力なき青年は望んだ。次は『彼女』を護り通せる力を持った存在になりたいと。
祈りは巡り、運命が廻る。黒き神の手の平の上で。
(意訳:全部デミウルゴスのせい)

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【FP03】FairyParadise

2021年4月から温め続けている氷の妖精フロスト(F)と花の妖精パンセリノス(P)の物語。
花の妖精の体液(蜜)を主食とする氷の妖精。蜜を集める働き蜂のように『花狩り』を行っていたフロストは、辺境の塔で密やかに育てられていた花の古妖精(王族)を発見する。収穫の過程でパンセリノスの体液の味を知ってしまったフロストは、そのあまりの甘美さに彼女を巣へと持ち帰ることを躊躇って……。

捕食者と被食者のバイオレンスほのぼの交流食レポ物語。

◆F(フロスト)
若い氷雪の妖精。優秀だが出世欲がなく、これまでは淡々と働き、配給される蜜を舐めて生きてきた。が、花の古妖精の蜜の味を知ってしまったことにより、これまで満足していた蜜の味が薄めた砂糖水の如きものだったことが分かり衝撃を受ける。下っ端なのでパンセリノスを巣に持ち帰ってもその蜜が自分の口に入ることはなく、さらに巣に持ち帰った花は寒さにより数ヶ月で枯れてしまう。これほど甘美な蜜を生む花を枯らしてしまうのは惜しいと考えた彼は、女王を裏切ってパンセリノスの傍で生きることを決める。
なお、パンセリノスのことは「とってもおいしいごはん」にしか見えていない。食べることくらいしか楽しみがないため食い意地が張っており、パンセリノスから出てくる体液は何でも舐め取る。パンセリノスのことを(食料として)とても大切にしている。

◆P(パンセリノス)
花の古妖精(王族)。氷雪の妖精の狩りから逃れるために、隠されて育てられてきた。最初はフロストのことを恐れていたものの、フロストが即座に自分を氷の地に連れ去ったり、殺す気はないと分かってくると、徐々に心を開いていく。言葉が通じないためフロストが自分のことをどう思っているのかは分かっていないが、独りで隠れ暮らす生活はあまりにも孤独で退屈だった。フロストとの関係が落ち着いてからは「一人ではない生活」をそれなりに楽しんでいる。

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【FP04】Fiend Promise

FPでドタバタラブコメラッキースケベするぞ!!!という頭の悪い物語。
森の奥で暮らす魔女パンセリノス(P)は、女子会で友人から「最近は何かと物騒なので使い魔の一匹も飼ったほうがよい」と勧められ、おうちにあった旧い本を参考に使い魔を召喚した。黒猫やコウモリなどのかわいい動物の使い魔が出てくると思っていたのに、姿を現したのはなんと人型の上級悪魔(F)。そして彼が契約の代償に求めてきたのは、なんとパンセリノスの純潔で…!?

実家(魔界)に還りたくないのでどうしても契約を結びたいエフと、悪魔に純潔は譲れないためお還りいただきたいパンセリノスのドタバタラブコメディ。

◆F(エフ)
魔女パンセリノスの召喚に応じた上級悪魔。名前により縛られるタイプの旧い生き物であるため、普段、名乗っているのは本名の頭文字。
本来は一介の魔女の召喚に応じるような位階の悪魔ではないが、諸般の事情で実家の居心地が悪く、喚ばれた部下の代わりにパンセリノスの元へとやってきた。パンセリノスの純潔と引き換えに契約を結ぼうとしたが滅茶苦茶に拒絶されたため、ひとまずの仮契約に留めており、現在は十全の力を振るうことができない状態。完全な状態であれば、およそ人間が悪魔に期待することは一通りこなせるハイスペックデーモン。富も名声も恋も殺戮も何でもござれ。知略もいけるが、単純に最短距離を進むのが好きなので脳筋のような振る舞いをしがち。暴力はすべてを解決する。まさに悪魔。
「俺と契約さえ結べば、白馬の王子の一人や二人や十人や百人、すぐに用意できるぞ。顔も血統もより取り見取り、選びたい放題だ。俺と契約さえ結べば、な」

◆P(パンセリノス)
花生みの魔女。芽吹きの魔女。春喚びの魔女。
森の奥で旧き魔女である祖母に育てられた年齢不詳の女の子。白馬の王子様の実在を信じ、いつか自分のところにも来てくれると良いなと夢を見ている永遠の乙女。
祖母の他界後も森の奥で動物のお友達に囲まれて独り暮らしており、人間との交流はあまりない。植物に関連する魔法が得意で、たまに訪れる魔法使いの行商人に魔法植物やそれを元に作った薬品を卸すことで細々と生計を立てている。
エフのような上級悪魔と契約するほどの代償は支払えないため、エフには魔界に還ってもらいたい。「“はじめて”は白馬の王子様に見初められて夢のように豪華な舞踏会に招かれて可愛いドレスを着て踊ったあとに夜景の綺麗なお城の最上階でのプロポーズを経て盛大な結婚式を挙げた満月の夜にお花で埋め尽くされたお部屋の真っ白な天蓋の付いた大きなベッドの上で階下から漏れ聞こえる優雅な弦楽器の調べを聴きながらって、もう決めてあるんです!!なので貴方とは無理です〜っ!!!」
自身の胸が慎ましいことを何かと気にしている。ドジっ娘。

◆A(エディ)
悪魔エフの異腹の兄。父親からエフを魔界に連れ戻すよう言われているため度々エフのもとを訪れるものの、エディも実家には居たくないため内心では「魔女との使い魔契約?その手があったか!」と考えている。しかし単身で上級悪魔との契約の代償を支払える…もとい、長き時を生きながらその身の純潔を保っている魔女は極めて稀有な存在。「……つまり、この女と俺が契れば、しばらくあの男(父親)の顔を拝まなくても済むということだな」
実家に帰らなくてもよい権利(魔女パンセリノスの純潔)を巡って、しばしばエフと兄弟喧嘩する。元々の兄弟仲は良くも悪くもない。

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【FP06】未定

FPでTL小説をやりたい…!!!そんな下世話な発想から生まれた、悠久の時を生きる長命種(吸血鬼)の女王(P)と、命儚き人間(F)の恋物語。
FPの力関係が逆転している異色FP。

惹かれ合うフェリクスとリーリエガルド、そしてリーリエガルドの幸せを願いながらも、一族のため彼女の恋を赦すことのできないロゼヴァルドの三者が絡み合う、明けない夜の物語。

◆F(フェリクス)
人間の貴族の青年。幼少の頃、母親により不帰の森に遺棄されたが、リーリエガルドにより命を救われ、一度は人間社会に戻された。
そして時が流れ、美しい青年に成長した彼は、再び不帰の森を訪れる。かつて自分の命を助けてくれた、初恋の女性と再会するために……。
人間としては腕の立つ剣士であるが、夜に住まう者たちに立ち向かえるような特殊能力は有していない。脆弱な被食生物、ただの人間である。

◆P(リーリエガルド)
本名(真名)はPから始まるが、名前を呪詛や祝福に用いるタイプの旧い生き物であるため、普段はリーリエガルドを名乗っている。純血の吸血鬼であり、夜に住まう者たちの女王であるが、臆病で引っ込み思案な性格で、普段は領地の統治を双子の兄弟であるロゼヴァルドに任せ、彼女は万年霧に包まれた不帰の森の館で隠遁生活をしている。
絶滅に瀕している純血種の吸血鬼であるため、ゆくゆくは兄弟のロゼヴァルドとの間に子を成す宿命を負っている。しかし、人間の青年フェリクスの真摯な想いに彼女は次第に惹かれていき、やがて赦されざる恋に落ちる…。
儚い外見をしているが、ロゼヴァルドと同じ能力を有している美しき怪物。

◆E(ロゼヴァルド)
リーリエガルドの双子の兄弟であり、純血種の吸血鬼。夜に住まう者たちの上に君臨する若き君主。もちろん、彼も本名は別に存在する。
リーリエガルドは彼の将来の妻でもあるため、彼女に近付く人間フェリクスの命を狙う。……のだが、フェリクスの顔が良くてなかなか殺せない。何を隠そうロゼヴァルドは美男美女コレクターであり、己の審美眼に適った人間を眷属化して城に侍らせるのが趣味の男である。ちなみに童貞非処女。ほぼリーリエガルドと同じ顔なのに、なぜフェリクスが自分を拒絶するのか理解できない。
しかし、その実力は折り紙付きの旧き血統の怪物。永遠にも似た時を生き、火に焼かれず、水に溺れず、心に秘めた思いさえ聞き取り、神の如く微笑む。望むままに空を駆け、姿を隠し、針の穴を抜け、素手で万物を引き裂く。絶対の夜の支配者である。

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【FP09】未定

Fの概念『黒くて強過ぎる、もはや兵器な守護者』って、突き詰めればメカじゃない?……そんな発想から生まれたFP。

大昔、魔法機械文明が栄華を極めた世界。しかし、文明は機械兵器の開発競争により激化した戦争で滅び去り、生き残った人類は散り散りになった。機械技術は悪しきものとして人々に忌避され失われ、人類は魔法石を用いたささやかな魔法だけを頼りに、厳しい日々を生きていくこととなる。
そうして長い時が流れ、再び各地に人々が集い、国が築かれ始めた頃。人類は過去の過ちを忘れ、再び国家間での争いを始めた。
そんな時代、隣国に攻め込まれた小国の姫君は敵兵に追われ、禁足地とされていた古代文明の遺跡に逃げ込む。その遺跡の最奥で彼女が目にしたのは、かつて世界を蹂躙した機械兵の姿だった。

◆F(フェオ)
古代文明の機械兵。正式名称は『フェオ隷属型04号機』。
先行機体『ウルズ』の後継機『フェオ』に改良を加え、操縦に特殊技能を必要としない平易な思考パターンを備えた隷属型の4号機である。古代文明末期に製造され、稼働後、すぐに文明が崩壊し遺棄されたため損傷の少ない状態で遺されていた。
魔法石からの魔力供給がある限り、無人での自律稼働が可能。基本的には起動者に服従し、特に命令がない場合は起動者の庇護を最優先事項として行動する。
休眠に入る前とは周辺環境が変わり過ぎており戸惑うことが多いものの、彼の仕事は変わらない。ただ淡々と主君を護り、彼女の道を阻むモノを切り伏せていくのみである。

◆P(パース)
亡国の姫君。16歳の少女。
フェオにより命を救われるも、国も家族も喪った。
命の恩人とも呼べるフェオに心を寄せているが、機械兵という存在を捉えかねており、兵器であるフェオに振り回されがち。
これからどのように生きるべきか、死ぬべきか、途方に暮れている。

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【FP00】

FPシリーズとは設定が大きく異なるためFPシリーズには含まないものと考えているのですが、オンラインゲームMagicalossの1.5次創作『月の向こう側』にはFPシリーズの原型となった創作キャラクターが存在します。
設定上の繋がりは一切無いのですが、後述の白暁発狂によるFP創作の起点です。

◆F(フェローチェ)
作品の主人公ロジィ・エクリプス(月蝕ロジィ)に仕える従者。二十代半ばの男性。
学があり外見は優雅だが、ヤンキーのような粗雑な口調で喋る。
三度の飯より闘いが好きな戦闘狂。何だかんだ言って忠義に篤いが、それ以上に「闘うことで主人に仕える以外の行動理念を持たない」という空虚さを持つ。その感情の原因となる記憶を失っているが、「今度こそ」大切なものを護りたいと強く願っている。
普段は嫌煙家だが、イライラすると自ら喫煙する悪癖がある。彼の紫煙は「近付くな」の合図。一方、好物はビールと生ハム。普段は人付き合いが悪いが、ビールと生ハムが出てくるならば割と誰とでも酒を飲む。
なお、特技はピアノ演奏。※本人は戦闘にしか興味がないため、ピアノについては「なぜか弾ける」だけであり、好んではいない。

◆P(ロジィ・パンセリノス)
通称、満月ロジィ。『ロジィ』という青年の最初の人格であり、作中では『ロジィ』の精神の奥深くで眠りについているため登場せず、月蝕ロジィを含め、作中の誰にも存在を認知されていない(※)。月蝕ロジィ(副人格)が過去の記憶を持たない理由であるが、作中では一切明かされない、いわゆる「裏設定」。(※従者ロギアソールだけは「(月蝕)ロジィの中に別の誰かがいる」と気が付いていますが、満月ロジィの正体を知るには至らず、また、積極的な詮索もしません。)
土着宗教で凶兆とされる皆既月食の夜に産まれた彼は、そのせいで生まれながらに迫害を受け、親の愛すら知らずに育った。ある嵐の夜、小舟に乗り故郷の島から逃げ出した彼は、以降、手を差し伸べてくれた人間に生来の素直さと健気さで尽くしたが、『身寄りがなく、なんでも受け入れ、何でもしてくれる都合のよい人間』として行く先々で搾取を繰り返され、次第に生きることに疲れてしまう。そしてついに自殺を試みた際に生じた月蝕ロジィと人格交代。以後は「自分はロジィの“保護人格”。『ロジィのつらい記憶』を引き受けて眠るのが自分の役目。そのために生まれたのだから、どんなにつらい記憶でも受け入れられる」と誤認した状態で、月蝕ロジィの奥深くで過去の記憶と共に眠っている。
彼の精神は「誰でも良いから、何でもするから、私のことを愛してほしい」という愛情への飢渇で満ちており、彼の人格が目覚めている間は常に他者への依存(恋愛)を必要とし、その性自認は惚れた相手の嗜好に合わせて流動する。
「愛してほしい」と願っているが、同時に「どうせ愛されない」とも信じているため、言動がヤンデレビッチになりがち。せめて一瞬でも「必要とされている」と感じたいため男性にも女性にもすぐ肉体関係を迫るが、求められれば「やっぱり必要とされているのは体だけ」、拒絶されれば「体さえ必要とされない」と嘆くため、もはやどうしようもない。

「もしも彼(彼女)が目覚めたら、きっとフェローチェのことを好きになる。フェローチェなら彼女を不幸にはしない。」「月蝕ロジィを幸せにしたいが、そうすると満月ロジィを幸せにしてあげられない。逆もまたしかり。うちの子全員を幸せにしてあげたいのに、物理的にロジィの肉体が足りない!」という白暁のジレンマが狂気へと至り、FPシリーズが発生することになりました。なのでFPシリーズの主人公はFとPの2人ですが、どちらかと言えば「P(パンセリノス)を幸せにするための物語」となっています。

◆E(ロジィ・エクリプス)
通称、月蝕ロジィ。満月ロジィが自殺しようとした際に生じた『ロジィ』という青年の副人格。本人にその自覚はなく、過去の記憶も(満月ロジィが抱えて眠っているため)存在せず、記憶喪失の青年として身ひとつでこの世に放り出された。
そんなこんなでアイデンティティの確立に苦労したものの、様々な経験を経て成長し、現在ではフェローチェを始めとする60人ほどの従者を従え、訳アリ人物ばかりの共同体を営んでいる。
精神に強烈な負荷がかかると『ロジィのつらい記憶』を引き受けようとする満月ロジィの働きにより一時的に人格が交代し、前後の記憶が欠落してしまう。

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【番外1】愛は惜しみなく与う

2人が主人公ではないためFPシリーズには含めないものの、他にもFPが登場する作品が存在します。

◆F(フランツ・D・レクサンクチュエール)
人間。男性。二十代半ば。既婚者で作中、娘が産まれる。
貴族であるが大衆酒場で作中の国の言語を覚えたため、粗雑な言葉遣いで喋る。また、妻からピアノを習っており弾くことが可能。
ひょんなことから白猫パンセリノスを飼うことになり、初めてのペット飼育に悪戦苦闘する。

◆偽物のP(白猫パンセリノス)
他人の空似であり、他の世界のパンセリノスとは異なる存在。
ロジェ・イクリプス・セリニの遺伝子から造られた人造生物であり、ひょんなことからフランツに飼育されることになった。フランツによく懐いている。

◆本物のP(パンセリノス・エレフセリア)
設定上は存在するが作品舞台の国には住んでおらず、名前すら登場しない。
隣国で手広く商っているエレフセリア商会の跡取り息子。
血縁上は白猫パンセリノスの元となったロジェの従兄弟であるが、2人の母親(姉妹)の親交が途絶えているため、お互いにその存在すら知らない。もちろんフランツとの面識も一切ない。

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【番外2】神獣アブソリュート!

2人が主人公ではないためFPシリーズには含めないものの、こちらの作品にも登場する上に、他の作品よりも幸せになります。なぜ……。

◆F(フランツ・ダールゼーレ)
人間。男性。国を守護する太陽の神獣の末裔、ダールゼーレ一族の末席。
母親が平民であり一族内では肩身が狭いが、腹違いの兄アードルフの庇護下ですくすくと健やかに成長した。他の世界のFとは異なり護るべき存在を持たないため、白暁には虚無ンツと呼ばれがち。
ある日、パン屋で出会ったパンセリノスの手作り菓子に惚れ込み、その縁からなし崩し的にパンセリノスとの結婚を決める。末席とはいえ神の意向であるため、人間(パンセリノス)に拒否権はない。
完璧主義の兄の人生を振り回しまくるものの、アードルフのことは尊敬しており本人に悪気はないので、なおさら手に負えない弟に仕上がっている。
(※まるでフランツだけがフリーダムみたいな表現になってしまったのですが、ダールゼーレの人間はアードルフも含めてみんなナチュラル神ムーブをする現人神です。FP01や愛惜に登場するFもこの気質をそのまま持っていますが「城(実家)を出た自分はもはや神ではなく獣に過ぎない」という自覚のもと、人間社会に順応しようと努力しています。)

◆P(パンセリノス・エレフセリア)
エレフセリア商会の跡取り息子。既婚者。性自認は女性であるが、それを隠したまま親の勧めに従い結婚してしまった。しかし妻を愛することができず、善良な妻の人生を台無しにしてしまったという罪悪感から強い自殺願望を抱いている。
ある日、パン屋で出会った青年に手作り菓子を渡したが、のちにそれがダールゼーレ一族の三男坊であると発覚。最初は混乱したものの「ダールゼーレに殺してもらえれば家族に莫大な弔慰金が支払われる上に世間の同情も得られ、妻に再婚の可能性を残せる」と考え、求められるままフランツと親しく付き合うようになる。
そのうち本当にフランツと親しくなり己の抱える問題を打ち明け始めた頃、様々なトラブルが重なってなし崩し的にフランツに娶られることになった。
両親と妻には悪いと思っているが、神に娶られたことで男性として振る舞うことを強いる世俗から隔絶され、どの世界のPよりも幸せになっている。

◆A(アードルフ・ダールゼーレ)
フランツの異腹の兄。14歳の頃、父親から4歳の弟(フランツ)を育てるように命じられ、以降、まことに遺憾ながら自由奔放なフランツを育て、導き、見守っている。
根は冷酷ながら極めて理性的な人物であり、感情でフランツを怒ったりせず、フランツを叱る時にも手をあげることはないため、フランツからは非常に尊敬され、懐かれている。
※FP01では14歳のフランツを暗殺(未遂)し、愛惜では18歳のフランツを他国へ追いやるなど基本的に非情な人物ですが、徹底的にリスクを排除し己の覇道を固めるタイプの堅実な合理主義者であり、フランツに対して憎悪や嫌悪を抱いている訳ではありません。単に「自分の下位互換が存在すると、政治の上で必ず邪魔になる。(ので、基本的には殺しておこう)」という考えを持っているだけの、ごく普通のお兄ちゃんです。

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