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愛は惜しみなく与う

略称:愛惜 作品形態:小説
傾向:R-15程度の性癖闇鍋、倒錯的設定、下品な表現、HL含
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あらすじ

呼吸し、思考し、涙さえこぼす愛玩人形と、それを取り巻く様々な人間たちの物語。

【ネタバレ】 主人公ライラ・メリクリウスはかつて農奴だった。
絞め殺すことができなかった白痴の弟を連れて家から逃げ出し、盗みに入った山小屋でのちの師匠となる医術師メリクリウスと出会う。メリクリウスに導かれ、ライラとその弟シェメッシュは錬金術師となった。
生成師として頭角を現したライラは驕っていた。その胸にはかつて自分たちを虐げた人間たちへの恨みがあった。師匠メリクリウスの制止を聞かず、ライラは軍事生体兵器の生成を請け負い、大規模な戦争に加担した。最初は順風満帆に思えたが、次第にシェメッシュは仕事を嫌がり、師匠のもとへ帰りたいと訴えるようになった。けれどライラは取り合わず、その矢先、事故が起きた。
不良の軍事生体の廃棄手順をシェメッシュが誤り、生体暴走を起こした。ライラは仲間の錬金術師たちに助け出されたが、巨大な軍事生体の下敷きとなったシェメッシュは即死だった。からがら持ち出せたシェメッシュの頭部を抱え、ライラは職務を放棄して錬金術師の本部に戻り、師匠メリクリウスに助けを求めた。しかし、そこにメリクリウスの姿はない。メリクリウスは医術師として戦場に出、数ヶ月前に医療テントが軍事生体に襲われた際に命を落としていた。その訃報を知らせる手紙は国によって握り潰され、ライラには届いていなかった。ライラは弟を抱えたまま、かつて師匠と暮らした山小屋へ向かった。戦火に巻かれたのか、半焼した山小屋は朽ちていた。ライラは己の憎悪が愛する者を皆殺しにしたことを知った。

数十年の時が経ち、戦争は終わり、世代も交代した。
人造生体に対する『軍事兵器』という印象は、まだ少し残っている。
そんな世界の片隅で、男は人形を造っていた。
傷付いた人の心を癒し、寄り添い、無償の愛で満たす。
孤独な人間がいない世界を夢見て、孤独な男は今日も人形を造っている。

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用語

錬金術師:
秘薬を飲み、不老長寿となった人間。
【生殖能力】と【感じる力(感情や感覚)】を一つ失っている。
肉体の変化が極端に遅延する代わりに、飢餓に弱く、生存には1日数回の定期的な食物摂取を必須とする。不慮の餓死を防ぐため、常に2人1組で行動するのが基本。

生成師:
錬金術師の専門職の一つ。何の生成を専門とするかによってさらに細分化される。
鉱物や植物、人造生体の生成や複製/クローニングの技術を持つ。
いずれも初期投資に費用が掛かり、高度な専門知識と技術が必要で、ハイリスクハイリターンな職業。

生成者:
対象の人造生体を造った生成師を指す。

薬師/医術師:
薬の調合、研究、医療行為などを行う錬金術師の職業。
多くは人間の医療行為を受けにくい錬金術師を商売対象としているため、安定した収入を得られる。

毒薬師:
毒薬の調合、研究、それを用いた暗殺などを行う錬金術師の職業。

発明家:
発明を行う錬金術師の職業。収入は本人の発想力次第。

火薬師:
銃火器や爆薬、花火など、火薬に特化した錬金術師の職業。
人間に交じり、傭兵のような働き方をする者も少なくない。

編纂者:
不老長寿を活かし、各地の歴史を書物にまとめる錬金術師の職業。
他の錬金術師たちからの援助で生活している。

錬金術師(職業):
卑金属から貴金属を生み出す研究をする錬金術師の職業。
夢はあるが収入は乏しい。研究趣旨に賛同する金持ち(人間)からの援助で生活している。

可逆者:
錬金術師から人間に戻る方法を研究している錬金術師たち。
無収入なので、研究趣旨に賛同する他の錬金術師からの援助で生活している。

土地の単位:
・トローテル=1ヘクタール(10000平方メートル)
・ムートテール=0.5ヘクタール(5000平方メートル)

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主な登場人物

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