桜月(桜憑)
略称:― 作品形態:ノベルゲーム
傾向:BL
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あらすじ
父親を突然の病で喪った吸血鬼ヴィントは、莫大な遺産と共に病弱な異母兄の介護をも引き継ぐ。
桜が散るように、月が欠けるように、静かに消え逝く異母兄キルシュの命の灯。
その命を救おうと父の遺品をあさるヴィントは、やがて父と兄の尋常ならざる関係、父の死の真相に迫ってゆく……
【ネタバレ】
父親の日記にはまるで熱烈な恋に浮かされた若者のように、キルシュへの異常な執着が綴られていた。おぞましい量の日記は狂気的な熱量で、死の間際まで父がそれを書き続けていたことを示している。それとなく水を向けても、異母兄は申し訳なさそうに微笑むばかり。庭の桜が散る頃に、自分も父と同じ場所へ逝くという。
次第にヴィントは平常心を失い、キルシュへの強い執着を持ち始める。まるで日記に遺された父親のように。
※ノベルゲーム用のシナリオなので、終盤までに満たした条件によってエンディングが分岐しました。
【あまり条件を満たさなかった場合】
桜の散る夜、人知れず異母兄は消えてしまった。
残されたヴィントは夢から醒めるようにキルシュへの執着からも解放され、父と兄の遺品を整理し、城で独り暮らし続ける。
【条件を満たしつつ兄の出自を知れなかった場合】
桜の散る夜、人知れず消えようとするキルシュを呼び止めるヴィント。
どうか共に生きてほしいと懇願するヴィントに、キルシュは首を縦に振らない。
業を煮やしたヴィントは力尽くでキルシュをさらい、部屋に監禁してしまう。
まるで日記に遺された父親のように、キルシュへの強い執着に身を任せて……。
【すべての条件を満たした場合】
桜の散る夜、人知れず消えようとするキルシュを呼び止めるヴィント。
どうか共に生きてほしいと懇願するヴィントに、キルシュは首を縦に振らない。
その理由は、キルシュが吸血鬼と人間の混血・ダンピールであるからだった。
吸血鬼が美しい姿で人間を魅了し捕食するように、ダンピールは吸血鬼を魅了し、捕食する。
ダンピールとして父親を喰い殺してしまったキルシュは弟までも殺してしまいたくはないと訴えるが、ヴィントは共存の道を探りたいと答える。
捕食者と被食者の兄弟は、希望を信じて共に生きる道を選ぶ。
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