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モノクロの庭園

略称:― 作品形態:
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概要

世界の初めに、全能の神様がおりました。
一人は善の男神ヤハウェ。一人は悪の女神デミウルゴス。
彼らは姉弟であり夫婦であり、『全知全能で両性具有の唯一なる神』の表裏です。
善悪、男女、陰陽、生死、すべてのものの二面性がそれぞれに表れていますが、その象徴は完全に固定されたものではなく、すべてのものを取りこぼすことのないように、神の手から逃れる存在がないように、揺らぎ、分け合い、両者の否応なく分担しています。

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一柱の二神による夫婦喧嘩

ヤハウェとデミウルゴスの間に『世界』は生じます。
ヤハウェとデミウルゴスから絶えず湧き出、世界に溢れる力【精霊】によって『世界』は健全に運営されていますが、神が関心を失った世界からは徐々にその力が減り、最後には形を保てず崩壊して消え去ります。そうしてひとつの世界が消えてゆく間にも、ヤハウェとデミウルゴスの間には新しい世界が次々と生まれます。
最初、デミウルゴスはヤハウェと共に愛し治める世界(我が子)を創るため、ヤハウェから離れました。しかしデミウルゴスがヤハウェ以外(他者)をも愛すなら、ヤハウェはデミウルゴス(自己)しか愛せないのがこの二神。デミウルゴスにしか興味がなく、デミウルゴス以外の存在など不要なヤハウェは彼女の行為に怒り狂い、彼は己の司る権能で固め創った【天界】に引きこもり、『悪(デミウルゴス)』を通さない天国の門を設け、籠城しました。そしてデミウルゴスが(ヤハウェを放置するという重大で軽率な)己の行動を反省し、ヤハウェを求めて泣いて懇願し、自分に絶対服従を誓うのを待ちました。
対するデミウルゴスは我が子(被造物)を産み育てることに忙しかったのでしばらくヤハウェの行為に気が付かなかったのですが、彼の籠城に気が付いた時はひどく困惑しました。しばらく天国の門の前で彼に呼び掛け、反応を待ちましたが、(彼女が泣いて赦しを乞うのを待っているヤハウェは応えず)何の反応も無かったため、彼女は夫とのコミュニケーションを諦めて無数の世界に降り、我が子と遊び、我が子を愛する作業に戻ります。ヤハウェが自己(デミウルゴス)に執着するほど、他者(我が子)に執着するのがデミウルゴスです。
デミウルゴスのその対応にさらに怒ったヤハウェは、今度はデミウルゴスを力尽くで捕らえようと、彼女の遊ぶ世界を壊し始めました。その夫の行為にはデミウルゴスも大激怒。彼らは無数の世界を創り、壊し、護り、攻め、長きに渡る夫婦喧嘩が始まったのでした。

■ヤハウェは世界に対し
デミウルゴスが居そうな世界を破壊します。デミウルゴスの捕縛に失敗すると、腹いせに災厄を撒き散らして放置したりもします。
また、デミウルゴスが好みそうな世界を創って罠を張ったり、彼女が訪れそうな世界に『金髪蒼眼の特別な人間』を配置し、監視カメラのように使用しています。ただし、そもそも世界への興味があまりにも乏しく、小まめにチェックしないので、監視カメラとデミウルゴスが戯れていても気が付かないことが多いです。
なぜデミウルゴスが自分に服従しないのか理解できないので、いつも不機嫌です。

■デミウルゴスは世界に対し
ヤハウェが破壊した世界(我が子)を修復したり、ヤハウェが撒き散らした災厄を収拾したり、諦めて放置したりします。被造物(我が子)のことは愛していますが、一方でいくらでも産み育てることができるため、必ずしも守り慈しむ訳ではありません。時には自ら蹂躙し、無慈悲に死で呑み込むのも彼女の側面のひとつです。
夫の支配的な面には反発していますが、基本的には彼を愛しているため、蒼い瞳の人物には甘い対応を取ります。しかし、いつまでも我が身を顧みず、デミウルゴスの振る舞いだけを責め続けるヤハウェ自身に対してはどんどん苛立ちを募らせています。
ヤハウェに簡単には見つからないよう、普段は自身の存在を細分化して低次元に落とし、人間や精霊に紛れて世界を渡り歩いて、子供たちと遊んでいます。

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夫婦喧嘩中に創られた世界

それぞれの世界の紹介は【創作作品一覧】参照。

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決戦から和解へ

デミウルゴスが息子ルシファーに一部割譲していた己の権能『【揺り籠】への経路(パス)』をヤハウェが読み取り、天使アスタルテに模造経路を埋め込んでいたことが発覚。直後に発生した天界を揺るがす大事件によりルシファーがアスタルテを連れて堕天したため「何も起きなかった」ものの、のちにこれを知ったデミウルゴスは大激怒。堪忍袋の緒が切れた彼女はルシファー率いる地獄の軍勢の助力を得、悪(デミウルゴス)を通さない天国の門を破壊。ヤハウェの籠城する天界に討ち入り、夫婦で雌雄を決しました。この決戦により天界は崩壊。その余波で天界以外の無数の世界も、そのほとんどが壊れてしまいました。
多大な犠牲を払いながらも互いに理解を示し、歩み寄る決心をした唯一なる二神は、何もない真っ白な空間【モノクロの庭園】を創って共に暮らし始めます。……彼らが少しでも夫婦喧嘩をすると世界レベルで周囲を破壊してしまうので、モノクロの庭園には何も存在しません。どうせ壊すのでインテリアを置かない究極ミニマムマイホーム。最初から仲良く夫婦喧嘩をする前提の世界です。

※モノクロの庭園の『モノクロ』は「代り映えのしない」というニュアンスです。

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夫婦喧嘩後の世界

それぞれの世界の紹介は【創作作品一覧】参照。

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主な登場人物

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