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セリニ一族

護国の獣、月の神獣セリニの血を引く【神獣の一族】

『滴る月』を家紋に掲げる、セリニ侯爵家のこと。
隣国を護る【ダールゼーレ一族】と神話の時代から敵対している。
ダールゼーレ一族と比較すると内向的で排他的な性格。一族内での親密な付き合いを好み、人間と関わることを厭う。その血は月(狂気)に魅入られていると言われており、一族には精神に難を抱えている者が多い。また、彼らは月の満ち欠けの影響を受け、月が満ちるほど強靭かつ好戦的になり、新月が近付くとおとなしくなる。それは「新月に彼らの力が弱まる」のではなく「普段は強いけどおとなしい奴らが、満月になると狂乱する」という話であり、日頃は親密な彼ら一族も、満月の夜は距離を保って抗争の発生を避けるのが一般的。

当主は代々、国王の右腕として顧問官を務めている。公的には王の臣下であるが、実質、国王はセリニ一族には逆らえない。
他、セリニは国の宗教指導者として宗教儀式を司っている。国内においてセリニ一族は神の代行者であり、何をしても罪に問われることがない。下流〜中流階級の人々に現人神として根強く礼拝される一方で、貴族たちからは「国王に取り入り特権を貪る獣」として嫌厭されている。

当主は王に仕えるため王都の別宅に身を置き、登城して政務をこなしたり、王都の大聖堂で宗教儀式を執り行うが、当主以外のセリニは平時、王都から遠く離れた自然豊かなセリニ候領の本邸で静かに過ごしているのが通例。
騒がしさや新しい人間の流入を嫌うため、セリニ本邸は決して大きな屋敷ではなく、少数の召使いで維持管理可能な規模に保たれている。猟犬や猟鷹、軍馬などの飼育動物の頭数のほうが仕える召使いの人数よりも多いほど。管理の行き届いた見事な庭園は国内でも名高いが、招かれる人間はほとんどいない。

一族の当主、および嗣子は「パン・セリニ」を名乗り、それ以外は「イクリプス・セリニ」を名乗ることで前者に絶対服従を示し、一族内での諍いを避けている。ゆえに当主および嗣子以外の者がパン・セリニを名乗ることは、当主および嗣子への宣戦布告となる。

王都の大聖堂の維持管理、セリニ家当主が執り行う宗教儀式の補佐を行うのは、大昔にセリニ一族から分かたれた分家の一族である。神職の血統であり、もはやセリニの才覚は滅多に発現せずセリニ一族としては扱われないが、現在でもセリニ一族の「才覚を継がなかった者」は幼いうちにこの一族の養子となるか、またはこの一族に婿入り/嫁入りするのが慣習となっている。
逆に、極めて稀であるがこの一族からセリニの才覚を継ぐ者が生まれた場合はセリニ一族の養子として迎え入れられるが、歴史上数えるほどしか例がなく、そのいずれの者も夭逝している。

二百年ほど前の戦争で助けたフェガリ子爵に心酔されて以来、狂信的なセリニ信者として教育されたフェガリ家の当主が代々、セリニ家の家令を務め、パン・セリニの執事役をもこなし、人間が苦手なセリニたちと人間の間を取り持っている。(ゆえにフェガリ子爵家は常に当主不在の状態であり、当主の兄弟など近縁の者が当主代理を務めることが常態化している。)

『黒犬』と呼ばれる私兵部隊を使役している。組織図上の部隊長はフェガリ子爵であるが、基本的にフェガリ子爵は『黒犬』とは呼ばれない。
特殊な訓練を受けた警備員、および暗殺集団であり、セリニ一族の身の回りには常に1人以上の黒犬が控え、セリニの身辺を警護すると共に、セリニの命令があれば即時従う。
一方、彼らはセリニを監視する立場でもあり、セリニに不審な動きがあればしかるべき相手(パン・セリニ、フェガリ子爵、国王)に報告する。

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